恐ろしい習慣性のある薬(毒)精神科医内海聡

調和

2013年04月13日 09:52

心の病に薬はいらない
新刊「心の病に薬はいらない~心の薬を上手に抜く方法」(かんき出版)が4月10日に発売されました。
冒頭部分を引用しておきます。
はじめに
 
この本をもって私の精神医学に取り組む活動は、一つの完結を迎えるかもしれない、そう思って書き始めました。これまで私はいくつかの著書を書いてきましたが、精神医学の内情を暴露した『精神科は今日も、やりたい放題』と、さらに精神医学の背景と思惑に切り込んだ『大笑い! 精神医学』をもって、この分野における背景的問題については網羅したつもりです。つまりこの本は背景、それらの問題を理解したうえで、ほとんどの精神科受診している人が悩んでいる「精神薬の抜き方」について書いています。残念ながらこの地球上に完全な「向精神薬の抜き方」は存在しません。どんなにうまく抜いてもその過程で禁断症状に耐えられなかったり、錯乱発狂したり、後遺症的な症状が残ることは稀ではないのです。それこそが私が現在、精神薬を否定する根本的な理由の一つでしょう。これほどまでに危険な薬物は存在しないと言っていいのに、それだけでなく抜く方法さえまともな方法がないのです。私はよく、「なぜ私が断薬の手伝いをしなければならないのか」ということを愚痴ることがあります。なぜならこの断薬の手伝いを本来しなければならないのは、まぎれもなく精神科医と製薬会社たちのはずですから。そして実情を知っている人なら、決して彼らがそんなことするはずがないのも知っているはずです。
 
そんな愚痴は置いときまして、完全な方法というのはありませんが、高確率の有力な「向精神薬の抜き方」というのはいくつか存在します。この本ではそれを紹介していくことが狙いであり、さらにいえばこの本の「向精神薬の抜き方」や、私が参考とした「違法ドラッグの抜き方」より、さらに高確率で有力な方法が開発されることを願ってやみません。まだこの世界においては「向精神薬の抜き方」について、まともな医学研究一つされたことがない現状なのです。つまり私が今回紹介する「向精神薬の抜き方」も、多分に個人的意見が入り、完全な科学的データに基づいているものではないことを理解していただく必要があります。私が高確率な「向精神薬の抜き方」として参考にしているのが、世界100 カ所以上で普及している「ナルコノンシステム」です。これはCCHR(市民人権擁護の会)と呼ばれる反精神医学団体にもかかわりがある、違法ドラッグ(ヘロイン、コカイン、シャ
ブ、大麻など)を中心に薬物から離脱することをサポートする組織です(一部の国では向精神薬の離脱にも応用されています)。そのシステムにおいては違法ドラッグの離脱率がなんと80%以上 という驚異的な数字です。私はCCHRの会員でも信者でもなく、ナルコノンの狂信者でもありませんが、この数字より優秀な数字を見たことはありません。これは精神医学においては到底考えられない数字なのです。ほぼすべての精神医学施設が違法ドラッグを向精神薬に置換するだけであり、さらに向精神薬依存についてはいっさい有効な方法を持ち合わせていません。精神医学における違法ドラッグの離脱率は研究を見るかぎり10%〜20%がせいぜいといったところです。
 
はっきり言ってナルコノンのシステムをそのまま日本に持ち込むことは難しいと思います。まず滞在型施設が基本ですし、費用も非常に高額で一般人にはなかなか手の届きにくい料金です(それでも予約でいっぱいのようですが)。またナルコノンという組織自体が一つのカルトのように扱われています。「ナルコノンシステム」をネットで検索してもトンデモないシステム、非科学的な治療、カルト丸出しといったような論調しか掲載されていないでしょう。なぜこのような優秀な数字を出している組織がカルトと扱われるのか、その意味を人々は知らねばなりません。このように薬物中毒から人々を離脱させ、医学産業に飼い殺しさせていた患者を治してしまう組織は、今の業界にとってはカルトそのものであり、支配者たちにとってはあってはならない存在なのです。それは本を糺せば精神医学という存在が、人を治すために存在しているわけではないことを示しています。人々が単に誤解しているだけにすぎません。精神医学や製薬業界の背景をすべて理解すれば、自然とその解答は導き出せることでしょう。
 
この本では、その手法に私なりの手法や日本的な手法をミックスして、統合的に治療できないかを考えました。この方法は私が2013年4月に新しく開院する「TokyoDDC(drug-diprivation-support-clinic)」で実践しています。これまで私が開いていた「牛久東洋医学クリニック」ではまったく不完全で行えていなかったことを、このクリニックでは実践するとともに、さらに進化させた薬物離脱方法を模索していければと思っています。最後に出版にご協力いただいた渡部さんと、常に私を支えてくれる妻と娘に感謝の気持ちを込めて、この本をささげたいと思います。
 
二〇一三年二月
                                  内海